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  2. JOB Scopeで実現するジョブ型人事

ジョブ型人事とは

ジョブ型人事制度は、経営・事業戦略を担う人材の価値を最大限に引き出すマネジメント手法で、中長期的な企業価値最大化を実現するグローバル標準の人事の仕組みです。

 ジョブ型人事制度は、グローバルスタンダードとして日本にも浸透しつつある、職務に基づく雇用・組織編制・配置・評価・報酬決定を行うものです。

 簡単化すると主に、次のような構成要素から成り立っています。企業の目指す経営戦略・事業戦略に基づく組織設計。これは、戦略に最適な組織構成と各部門の責任階層・職種別の職務ポジションを構築します。

 次に、部門の役割、目標を遂行する上で必要な職務定義。ここでは、職務内容や目的、成果責任、行動基準等を記載した職務記述書を作成します。さらに、職務の難易度や責任の重さを定量的に職務評価し、職務等級(ジョブ・グレード)を設定します。

 3点目に、報酬設計と管理。労働市場や企業の賃金に対する考えに基づき職務ごとに支給する職務給/成果給の上限・標準・下限の適用範囲を決めます。加えて、企業・部門業績と個人の貢献度に連動した短期業績賞与の配分基準を決めます。これらを定期的に見直し賃金改定を行います。

 最後に、人材マネジメント。ラインマネージャーを中心に事業目標に基づく組織課題の分析から個人の目標設定、業績評価と行動評価、1on1会議を実施してフィードバックを行います。ここでは、社員の動機づけとキャリア支援、賞与と賃金改定のアセスメントなどを行います。


○これまでの人事制度との違い

 日本の雇用制度や人材マネジメントは、よくメンバーシップ型と言われます。そもそもメンバーシップ型というのは日本企業の特徴である、職務や勤務地他を決めないで雇用する形態です。すなわち、メンバーシップ型は、日本型雇用制度の特徴である年功序列型賃金新卒一括採用中心終身雇用に代表されるこれまでの日本企業の人事制度全般を表す言葉として一括りで語られることも多いです。

 一方でジョブ型は、海外ではあたりまえである職務や勤務形態、成果責任を基本とする雇用のあり方を区別するために、労働政策研究・研修機構労働政策研究所の濱口桂一郎氏が名付けたと言われています。


○マネジメントの対象

 メンバーシップ型はヒトを中心とする人材マネジメント。日本企業の人材マネジメントは、ヒトに焦点を当てたヒト中心主義です。他方、ジョブ型は職務に基づくマネジメントだと言われます。一言でいうと職務を軸にして、人事制度の施策・人材開発の仕組みのサイクルを回していきます。