職務記述書の目的は、職務に対する目的と期待、成果責任の把握。職務等級を設定し評価基準と報酬の定義。職務に対する人材要件やスキル・経験の明確化、及び人材マネジメントの指針
主たる任務(職務要約)
部門が企業内で果たす役割を担う職務のミッション、ビジョンや目的。さらに重要なのは役割、期待される成果責任の要約を記載します。すなわちこの職務の存在意義を明確化します。具体的な個々のタスク(課業)は、後述の取り組み項目で設定します。
中長期の重要課題
職務に期待される成果責任を果たす上で乗り越えないといけない中長期で取り組む課題の中で、最重要事項を記載します。1つか2つが適切で、複数設定すると課題が曖昧になります。
行使できる権限
職務に付与されている権限の範囲や成果責任の主なものを記載します。
取り扱う物量・金額等
職務が担う売上や生産数、管理対象物等を記載します。
部下の数
当該職務が管理する部下の人数を記載します。管理する部下がいない職務の場合は、「無」や「0」ゼロとします。
重要な外部の関係先
職務内容で関わる外部のステークホルダーの重要度の高い範囲を記載します。外部との関係性や影響を及ぼす責任範囲を明確に定義します。
重要な内部の関係先
職務内容で関わる社内の各部門や社員の重要度の高い範囲を記載。社内に及ぶ責任範囲や内部プロセスを明確に定義します。
取り組み項目
「タスク一覧」で別途定義した部門業務遂行に必要なタスク(課業)の中から当該職務が担うタスクを選択して割り当てます。タスク(課業)は、日常的に行う業務の単位を定義します。タスクの作成の仕方は後述します。
JOB Scopeでは、職務記述書(マスタ)作成時は、「職務別タスク一覧」にてマトリクス表で部門内の職務に対して、各タスクを漏れなく設定します。
職務記述書(個人)作成時は、「役割責任マップ」にて部門内の社員に対して、各タスクを同様に設定します。
職務記述書(マスタ)は、各職務が担うタスクを網羅的に設定しますが、職務記述書(個人)の場合は、評価年度単位で、社員が最も注力して担うタスクを10個を上限として設定します。
求められる思考・行動特性
契約管理サブシステムで定義されているコンピテンシーリストから、当該職務を担う人材に最も求められる思考や行動特性を最大5つまで設定します。
ここで設定するコンピテンシーは、実際の職務内容を構成するタスク(課業)とは違い、当該職務を担う人材像を設定します。従って、上限を5つまでと設定して最も必要と思われる思考や行動特性を選択してください。
必要な学歴・経験・知識等
職務を担う上で必要となるアカデミックバックグラウンドや経験、知識等を記載します。
求められるスキル
職務を担う上で必要となるスキルを設定します。スキルは、定義済みスキル標準参照と企業単位で設定するスキルデータを選択して設定します。加えて各スキルに対して求められるレベル設定も同時に行います。
※職務記述書は、求人情報で期待する応募者に求める人材要件をイメージして記載することが肝要です。